金原(@relaxziizi)です。
Twitterを使っていたら、世間の「お金を稼ぐのは悪いことだ」というイメージに対して「本当は良いことなんだよ」という発言をしているアカウントを良く見かける時期がありました。
部分的には確かに良い部分もあることは認めます。そもそも現代社会においては基本的にお金を動かさないと生きていけないんです。
ただ、わざわざ大金を稼いで浪費することは果たして本当に良いことなのか?
この疑問に対して「YES」と答える人の言い分はこう。
→「大金を稼ぐということは、それだけ多くの人に価値を提供し、多くの人から感謝されている証。税金も納めて寄付や投資もできて最高!」
この部分は、確かに良いことだと思います。ですが、これは表面的な話に過ぎません。
世の中には、ヤクザ屋さんのように悪いことをしてお金を稼いでいる人達も大勢います。なので、大金を稼ぎ、大勢の人から感謝されていたとしても、それが本当に個人や社会のためになっているのか?と言うと話が別なのです。
お金が動いている下では、様々なことが起こっています。なので、お金周辺の事だけを見るのではなく、世界全体、裏表を見なければ評価するのは難しいのです。
僕は大金を稼ぐということが相対的に見て悪であると考えている訳ですが、その理由をお話ししましょう。
お金稼ぎが大抵の場合に悪となってしまう理由
「お金を稼ぐ」という事象自体は決して悪いことではありません。ですが、それは「この世に人間がいることが地球上の生物にとって悪いことではない」と言っているのと同じことなのです。実際には資源を消費し、生物をむやみやたらに殺し、生態系を崩し、ゴミや排ガスを出し、あらゆる環境を汚染して、人類自身の生活環境さえ破壊しつつあります。
そんな諸現象の上で動くのが「お金」です。
つまり、お金を稼いで使うということには「副作用がある」訳。
簡単に言えば、現代社会はその副作用が大きくなり過ぎてしまっているが故に、お金を動かす事がほとんどの場合悪になってしまっているということ。
その副作用をまとめるとこんなところでしょう。
・環境破壊
・貧富の格差
・人々の健康状態が悪化
お金の動きと共に進む環境破壊
とある人が住宅を売ってお金を得たとします。その人や売り物を作った人達はきっと買った人から感謝されるでしょう。しかし、同時に大量の木材や石油を消費します。安い住宅に使われいる木材はアジアの密林やロシアの森林から伐採したものが多いです。それは決して日本のように植林されたものではなく、切ったら切りっぱなし。空いた土地は開発などに使われ、再び木が植えられることはあまりありません。
そして住宅はいずれ大量のゴミとなります。もうそれこそ膨大な量です。その度にCO2が排出され、地球温暖化が進みます。
ゴミが出るのは住宅だけではありません。人々が普段口にするお菓子やジュースも含め、様々なものからゴミが出ます。リサイクルされるものの割合も多いですが、結局は燃料や電気を使い、石油を消費するので温暖化に繋がります。
これだけ見ても、余計なことにお金を使うべきではなく、できるだけコンパクトに生きた方が世の中のためになることが分かりますね。
お金が動くほど大きくなる貧富の格差
お金持ちというのは、自分のところにお金が集まり、そしてあまり出て行かないようにするのが上手いです。だからお金が貯まり、お金持ちになります。それはつまり、お金が自分の懐に集まる仕組みを作ったり、利用したりしているということです。
・会社を作る:仕組みを作る
・ファッションモデル:仕組みを利用
こんな感じで、お金が集まるところには、そのための仕組みがある訳ですね。
それがそのまま社会の構造になっている訳ですが、それを利用して「大金」を集めようとする人たちがいる限り、そこには貧富の格差が発生し、どんどん広がっていきます。
そのお金を人々に配ったり寄付したりしない限り、お金は稼いだ人や会社の元に溜まっていく一方で、社会の中を循環しない腐ったものと成り果てます。
大きな家に住み、高級車や高級腕時計、宝石などをいくつも持てばお金を減らすこともできますが、それは結局お金持ちからお金持ちの元にお金が移動するだけです。
家、車、時計、宝石。それらを作ったり売ったりしているのが結局は会社なので、その上層部で働く「高給取り同士」がお金のキャッチボールをするだけなんですね。
高給風俗などでお金を下級層へ降ろす事もできますが、それはそれで「成金」を増やし、変なお金の使い方をする人が増えてしまいます。
もう、お金は特別な理由がない限り、変に一箇所へ集めるべきではないということが分かりますね。
人々の健康状態が悪化
食品スーパーへ行けば良く分かります。そこには健康に良くない物が沢山売っていて、それを買っていく人も沢山いるんです。そこには
・人の為にならないものを売る人
・人の為にならないものを買う人
の2種類がいます。
彼らが人類の末長い繁栄や我が子の未来をしっかり考えているか?というと、全然違いますね。
世の中には豆腐や納豆、ぬか漬けや味噌、玄米や海苔など、別に高くないのに体に良いものが沢山あります。なのに、人々は「楽して美味いものが食べたい」という理由だけで、嗜好品三昧の生活をする人が大勢いるんです。
体に悪いものを食べていれば、いずれ病気になります。そして医者にかかれば多額の税金が無駄遣いされ、国家や納税者を苦しめるんです。
資源を消費します。ゴミも出ます。奇形児も出てきます。施設にまた税金がかかります。
その上で物が売買され、お金が動いているんです。
「お金を使うな、飢え死にしろ。体に悪いものは絶対に食べるな!」なんて言いません。でも、お金の使い方にも食事の仕方にも普段から問題があり過ぎる人が多過ぎるんですよ。
食品スーパーに入ったら、周りの人の買い物カゴの中を見てみてください。もううんざりです。
クリーンなお金を稼ぎ良い事に使えば善となる
ここまで散々お金稼ぎと浪費について批判してきた訳ですが、それでもお金を動かすこと全てが悪だという訳ではありません。中には地球環境にあまり負荷がかからないお金の稼ぎ方もありますし、良いお金の使い方もあります。☆環境負荷の小さい稼ぎ方の例:
・農林水産業
・広告収入(CM出演なども含む)
・芸能関係(TVやyoutubeなど)
・投資、ギャンブル
・教育ビジネス
・職人………など
☆良いお金の使い方:
・健康的な消費活動
・エシカル消費
・寄付
こんな風に、人々が良い方、良い方に舵を切って行けば、お金の動きの下に見える実態もはっきり「良い」と評価できるようになるでしょう。
まあ、そのためには、教育を充実させて本当に必要な教養を身につけ、モラルを発揮してもらわなければならないのですが…。
まずはお金持ち達がステージレベルの高い欲求を持つべき
個人的には、世界を良い方へ変えるなら、人々が教育によって実質的なモラルを身につけるしかないと思っています。ですが、今回は大金を稼いで使うことが良いことなのか?という話なので、まずはお金持ち達の行動が変化すべきだという話をします。とある漫画では「幸せとは、金と健康だ」と言っていますが、お金はある程度あれば十分なはずです。世界に流通する貨幣を独占するような「年収何億〜」みたいなお金は一個人には必要ない訳です。
ただ、その人が事業家で、世の中のためになるサービスを新たに作ったり、その為の会社を作ったりする為にお金が必要なら集めるべきですよね。
他にも、多額の寄付をするなら集めるだけ集めてもらいたいぐらいです。ただし、良い商品を売っていたらの話ですが。
何が言いたいかというと、見出しにもある通り、まずは頭が良くて行動力のあるお金持ち達に「ステージレベルの高い欲求」を持ってもらいたいんですよね。
マズローの5段階説には、本当は6段目の「世の為人の為に何かしたい」という欲求があります。人は徳を積むことで自己満足することが可能だということ。
なので、「ファッションモデルとその人を参考にして生活を改める美人達」みたいな構図と同じ様に、「社会貢献する金持ちとそれを夢見る若者達」みたいな構図が作れればいいと思うんです。
そしたら世の中めちゃ変わりますよ。
だって、クリーンなビジネスが増えて、「お金稼ぎ=善」という認識が正しくなるんですからね。そしたら前向きになって稼ごうとする人が増えて、景気もいい意味で良くなります。
一人でも多くの人の価値観を変えていけるように、これからも更新していきますよ。
ありがとうございました。バンカラ道をよろしく。