金原です。
1人で高い家賃をかけながら、孤独に暮らす。
これはとても贅沢なことだと思います。
しかし、そもそも贅沢とは、「必要のないことに大きな資源を消費する」ことを指すのです。
世の中で抱かれている成功のイメージからもかけ離れています。
余計なコストがかかり、貧乏になる。
一緒に過ごせる素敵な仲間に恵まれない。
それが果たしてあなたの望む贅沢だと言えるでしょうか?
家庭環境や近所との人間関係が悪かった場合などは、いったんそこから逃れる為に仕方ない場合もあります。
ですが、それは結局のところ、「理想」ではないはずです。
人が人間として生きていく上で、基本的に目指すべき暮らしがあるとすれば、それは家賃5万円の一人暮らしではなく、気の許せる仲間達との共同生活であると言えるでしょう。
今の日本人が貧乏なのは、一人暮らしが増えたからであり、人々の人間関係が悪化したか、疎遠になったという証でもあります。
なら、一人一人が立派な人間として成長する為に「修行を重ねる」ことが、結果的には人間関係を回復し、家計を回復させることに繋がるのです。
…というのが、今回のお話。
今の日本人が貧乏な訳
これは、家計という側面から見ると、圧倒的に「一人暮らしが増えたから」です。
僕の住む神奈川県では、アパートの家賃はボロ屋でも3万円ぐらいで、マシなところだと5〜6万円します。
それが”一人毎”にかかるのが、一人暮らしなのです。
一軒家なら、住宅ローンを組んでも、支払いは毎月9〜10万円で済みます。
それが仮に5人での暮らしなら、アパートと一軒家で、なんと毎月最大20万円の差が出てしまうのです。
毎月20万円で一体どれだけのことができるのか?
それが出来なくなったことで貧しさを感じる様になったのなら、毎月の給料から家賃へとお金を溶かす為に、どれだけの余計な苦労をしているのか?を考えるべきです。
一人暮らしの為に月50時間働く
この問題の深刻さが臨場感を持つ様に、より具体的な話をしてみましょう。
アパートの家賃が5万円だったとして、それを払う為に毎月何時間働くのか?
1時間あたり1000円の労働だとして、なんと50時間。
実際には、光熱費や食費、アパートの更新料がかかったり、通勤時間がかかったりで、もっとひどい計算になります。
今はスマホと時間さえあれば、誰でも情報発信で起業できてしまう時代なので、これがどれだけもったいない事なのか、ビジネスをやっている人なら分かるはずです。
このお金が住宅ローンを払っている自分の親へと流れるならまだマシ。
親の支払いが残り半分の5万円となり、家計のやりくりがかなり楽になります。
しかし、実際には「賃貸」ですから、毎月払って消えてお終い。
あなたの人生から毎月2日間以上の日時が消え、一年毎だと24日間。
通勤にかかる時間を含めるだけでも、年間およそ1ヶ月分の人生がどこかへ消えてしまうことに。
人生トータルなら?
…もう考えたくありませんね。
その一人暮らしを新卒サラリーマンがやったとしたら、以下の様な悲惨なことになります。
余計な長時間労働へ更に500万
現代はまだ、正社員就職をするのに大卒資格が必要なことが多いです。
約半数の若者達が大学や専門学校に進学します。
そして、4年制大学なら大体500万円ほどかかり、親にそれを払ってもらえない若者は、奨学金という名の「学生ローン」で、毎月2万円ほどの支払いに追われる事になります。
アパートの家賃と合わせると、毎月7万円はしますね。
さっきの様な計算をすると、年間約2ヶ月もの時間が消えていくことに。
大学にかかっているコストはお金だけではありません。
そこへ通い、勉強する時間や、家で課題をこなす時間もあります。
受験勉強に費やす時間や労力も忘れてはいけません。
それらを少なく見積もって、50ヶ月の大学時代。
一人暮らしが10年間だったとして、その期間に割り振っても、更に毎年5ヶ月間がどこかへ消えていっているという。(更に機会損失もあります。)
あなたの貴重な若い時間は、一体なんのためにあるのでしょうか?
アパートの家主か、不動産屋の仲介屋に支払われる高めの給料のためにあるのでしょうか?
ここまでひどい計算になるのなら、実家暮らしで、安月給でいいから高卒で、最悪フリーターやパートタイマーでもやっていればいいでしょう。
これからの時代、働き方はより気軽になり、起業のハードルも下がるのですから。
みんなで暮らす知恵も人柄も無い
では、どうしてそんな貧乏暮らしに突っ走る若者が大勢いるのでしょうか?
これは、一言で言えば、「家庭や社会経験を疎かにしている」からです。
もうちょっと細かく言うと、「知恵と人柄が身についていない」からとなります。
仲間と生活空間を共にするには、様々な知恵や暖かい人柄が必要になります。
共有スペースの片付け、家事全般、お金の使い方、人との付き合い方、時には子育てなんかも。
親しき間柄にも筋を通してやるべきことをやり、愛情を持って接すること。
これが人間関係には重要なのです。
簡単に言えば「人として立派であること」が重要なのですが、現代では、それを養うための家庭生活や社会経験が不足しているということ。
戦後に起こった高度成長期の影響でしょうか?
人々はお金さえ稼げれば何とかなると思い込みました。
それも一理ありますが、お金が稼げなくなった時にどうするか?という考えがなくなったまま、子育てを適当に済ませる家庭ばかりになってしまったのです。
保育所、学校、学習塾、その他の習い事。
親はお金だけ払って、あとはほとんど何も教えてくれません。
というか、今の親世代も勉強不足で何も知らないのです。
これでは、人を通して培われるはずの知恵と人柄が養われません。
この状況をどうにか打開することが、安定した生活への近道となります。
人間修行で勝ち組人生
人として立派に成長すること。
これが家族や仲間達との良好な関係を生み、豊かな共同生活を可能にします。
では、具体的にどんな能力を高めていくべきなのでしょうか?
ここでは3つに分けて解説するので、それらを意識して日々を修行化してみてください。
「これも修行だ」と思えば、あらゆることが成長のきっかけとなります。
部屋と家計を片付ける知恵と行動
まず一番初めにやるべきなのが、「部屋と家計を片付け、掃除をすること」です。
要するに、キレイで整った生活をすればいいということ。
同じ屋根の下で生活を共にするのであれば、相手には散らかして貰いたくないし、汚して貰いたくもないのが普通ですよね。
そして、それは相手方も同じこと。
これは「公園にゴミを捨てないで下さい」というのと同じレベルの話なのですが、もっと踏み込んで考えると、大切なことがあります。
例え部屋がキレイであっても、生活が散らかっていては問題があるのです。
毎晩遅くに帰ってきて大きな物音を立てる。
しょっちゅう友達を部屋に連れて来て騒いでいる。
歯をしっかり磨かない。
ろくなものを食べず、カップラーメンの匂いを家の中に充満させる。
そして、よく風邪をひく。
こんな人と暮らしたいと思うでしょうか?
人と接する時、特に共に暮らす時には、「分をわきまえる」ということが必要です。
その習慣を身につけるために、部屋を片付け、掃除し、お金と時間の使い方や生活態度まで、見直す癖をつけましょう。
質素な暮らしで満足できる精神性
大勢で限られた空間を共有したり、分け合ったりするとなると、どうしても質素な状況になじまなければならないことがあります。
例えば「一つの食卓で同じ鍋の味噌汁を飲む」なんてのも、料理をする回数や食材費が減るので、質素な行為だと言えるでしょう。
その「共有するもの」を誰かが担当することになります。
毎晩の料理や、そのための買い出し。
庭、玄関、リビング、ダイニング、キッチン、風呂やトイレの掃除。
幼い子供がいれば、相手をしてあげる。
それらをお金を払って業者にしてもらうのではなく、自分達で手分けしてやるということ。
お金ではなく、知恵と人柄が必要になります。
そして、そんな質素な生活でも満足がいく様な、「精神性」が必要です。
これは例えば、「タバコや酒、お菓子などを口にしなくても、外の新鮮な空気を吸うだけで気分が良くなる」みたいなこと。
これは色々なことを一度経験してみて、それぞれを比べてみないとわからない世界かもしれません。
ただ、初めからそれを意識してやるのと、ただ遊びたいからチャランポランにやっているのでは雲泥の差があります。
質素な暮らしと言っても、その前段階として修行があるので、社会人になる前(中学〜高校生の間)に色々学び、実践してみましょう。
円滑なコミュニケーションと愛情
せっかく毎日の様に学校へ通うのに、その時間の一体何%を机の上で黙って過ごすのでしょうか?
仕事にもよりますが、社会人というか、人間として生きる以上、コミュニケーション能力は重要だし、大切です。
本当に上手なコミュニケーションを取ろうとしたら、口先だけではなく、愛情も必要になります。
相手のことを思い、相手のためを考え、優しいだけではなく、お互いに成長できる様に導く会話をする能力。
それが、今の日本教育ではあまり育たずに、小学生同士のくだらない会話を聞いている方が人間力を感じることさえあるほどになってしまいました。
これも、日々成長することを意識して、コミュニケーションの場をいくつか持ってみることです。
家族、ご近所、地元のつながり、学校で出会う人たち、アルバイト先。
場は作ろうと思えばいくらでもありますし、今はSNSもあります。
最悪ナンパじみた声かけをすれば、チャンスは無い方がおかしいです。
それがどうしても緊張してできなくなる前に、10代前半から何かしら取り組むべきでしょう。
愛情については、まずは人から貰ってみることが新しい発見につながります。
分をわきまえ、筋を通し、一人の人間としてやるべきことをやっていれば、評価してくれる人が必ず現れますから、こういうものは本当に「日々精進」です。
そこから頂いた気付き、「愛情とはこういうものなのか」という学びを、今度は自分が、仲間に向けて生かして行きましょう。
まとめ
お金は最悪必要なものではありません。
汎用的なツールではありますが、それよりもっと先に手にすべき大切なことがあります。
僕ら人が、「動物であるから食べ物を口にする」というのなら、「人間であるから人間関係を良好に保つ」というのも当てはまるはずです。
そして、生活とは一体どこから来るものなのか?
それは決してお金からではありません。
全ては大自然から、「人を通して」やって来ます。
お椀一杯の味噌汁が、誰かのお仕事、買い出し、調理から出来上がるのと同じです。(その後の片付けがあることも忘れてはいけません。)
その味噌汁一杯に関わる、多くの人たちを大切にできるかどうか?
これが人生を大きく左右します。
そんな大切なことを忘れ、貧しさを給料だけで考える様になったのは、バブルの弊害でしょう。
日本人の暮らしをもっと長い目で見て、人々がどう暮らして来たのか?を考えることができれば、やるべきことは見えてくるはずです。
それでは、明日も心身を磨いて参りましょう。
ありがとうございました。